SEKAI NO OWARI

セカオワの恋愛ソング

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セカオワの恋愛ソング

SEKAI NO OWARI、通称「セカオワ」は、2007年結成の音楽バンドです。

この「世界の終わり」というバンド名は、ボーカルの深瀬さんが経験した、精神科の病院への入院や薬の副作用による苦しみに由来しています。そのとき、絶望した深瀬さんのもとに残っていたものが音楽と仲間だったことから、自分自身の「世界の終わり」から始めてみよう、という意味がバンド名に込められています。

もともと世界の終わりという表記だったものの、2011年のメジャーデビューをきっかけにアルファベット表記のSEKAI NO OWARIに変更し、一般的に、セカオワという略称で呼ばれることが多いです。

セカオワの曲の特徴としては、ポップで誰でも親しみやすく、思わず踊りだしたくなるようなメロディもある一方で、歌詞には、メルヘンの世界や切ない恋の歌、ときには突き刺すような鋭利な言葉もあり、その絶妙のバランスが、セカオワの人気の理由と言えるかもしれません。

以下は、セカオワの曲のなかで、「恋愛」をテーマにしたラブソングや切ない別れの歌になります。

不死鳥 アルバム『ENTERTAINMENT(2012年)』収録

『不死鳥』 作詞 Fuakase 作曲 Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI

アルバム『ENTERTAINMENT(2012年)』収録

セカオワのメジャーデビューシングル『INORI』、また、メジャー最初のアルバム『ENTERTAINMENT』収録の『不死鳥』です。

深瀬さんが2009年に「すごいラブソングをつくりたい」と思い立ち、映画のようなシナリオを想像しながら歌詞を書いた曲です。

主人公の「僕」は人間で、恋をした「君」は不死鳥のロボット、という世界観の歌詞で、Aメロでは歌い手が「僕」、Bメロでは「君」の心情が歌われています。

不死鳥のロボットは、「永遠なんていらない」と言います。制限時間があるから、出会えたことを奇跡と呼べるし、死の魔法をかけてくれたら、終わりがあることによって生まれる「今」を愛せる。

恋愛ソングであると同時に、「死」、そして、「命」について歌われた曲でもあります。

ちなみに、『不死鳥』は、深瀬さんにとって初めての恋愛ソングで、「君」のモデルは、当時付き合っていた彼女だったそうです。

眠り姫 アルバム『ENTERTAINMENT(2012年)』収録

『眠り姫』 作詞作曲 Fukase
編曲 SEKAI NO OWARI

アルバム『ENTERTAINMENT(2012年)』収録

セカオワの3枚目のシングル『眠り姫』。深瀬さんが作詞作曲の恋愛ソングです。

二人で歩んできた道を、RPGの冒険に見立て、「君」の寝顔を見ながら、もう二度と目を覚さなかったらどうしようという不安がよぎり、その不安ゆえに、これまでの日々と今の愛おしさを引き立てる歌詞となっています。

死の予感と、命の尊さを、ファンタジーで包む、セカオワらしい恋愛ソングです。

MVは、自身セカオワのファンだと公言している女優の宮崎あおいさんが出演したことでも話題となっています。

RPG  アルバム『Tree(2015年)』収録

『RPG』 作詞 Fukase、Saori 作曲 Fukase
編曲 SEKAI NO OWARI、CHRYSANTHEMUM BRIDGE
アルバム『Tree(2015年)』収録

セカオワのメジャー4作目のシングル『RPG』。この曲は、『クレヨンしんちゃん』の映画の主題歌でもあります。

詩の共作は初めてで、またセカオワのメンバー内でケンカになったことによって生まれた歌詞でもあります。

Saoriさん:Fukaseは酔っ払って骨を折っちゃうようなハチャメチャな人で、「もうお前にはついていけん」って話になって、いったんホントに(バンドを)やめようかと悩んだんです。でもやっぱり、もう1回、頑張りたいっていう気持ちを込めて私はサビを書きました。だから(サビの歌詞は)、「僕らはもう一人じゃないんだ」って言い切ってるわけじゃなくて、もう一人になりたくないし、なるべく誰も一人にならなければいいなっていう期待半分、不安半分みたいな気持ちで。そのサビを受けて、Fukaseがそれ以外の部分を書いてくれた感じです。

出典 : SEKAI NO OWARI:新曲はFukaseとSaoriの大げんかから生まれた

この『RPG』という曲は、友情ソングや仲間という意味合いが強い歌かもしれませんが、『眠り姫』と同様、二人で歩む道を冒険と捉え、恋愛や、結婚、家族などがテーマの曲としても響く一曲でしょう。

MAGIC  アルバム『SEKAI NO OWARI 2010-2019』収録

『MAGIC』 作詞 Fukase 作曲 Hawaiian6
編曲 SEKAI NO OWARI、CHRYSANTHEMUM BRIDGE
アルバム『SEKAI NO OWARI 2010-2019』収録

セカオワにとって、初のカバーソング『MAGIC』。

原曲は、バンドHawaiian6が、2003年に発表した英文歌詞の『MAGIC』で、セカオワ版の『MAGIC』は、深瀬さんがオリジナルの歌詞をつけ、アレンジした曲です。

深瀬さんが原曲を口ずさんでいたら、昔好きだった子とすれ違い、声をかけるも無視された、というときに、ぱっと歌詞が思い浮かんだそうです。

決してシンプルな恋愛ソング、ラブソングではなく、疾走感のある曲のなかで、どこか暗い現実も描かれている歌詞です。

一目惚れのあと、好きでたまらなくてずっと追いかけた君のこと。君は僕に、「吐き気がする」と言ったものの、二人は結ばれ、命が宿り、そして君の死が仄めかされます。

これまでの歌詞とは違い、ファンタジーの要素はなく、切実な現実を、そのまま現実の話のようにして歌っています。

マーメイドラプソディー アルバム『Tree(2015年)』収録

『マーメイドラプソディー』 作詞 Saori 作曲 Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI、CHRYSANTHEMUM BRIDGE
アルバム『Tree(2015年)』収録

能年玲奈さん主演の映画『海月姫』のために書き下ろされた楽曲『マーメイドラプソディー』。

映画の撮影現場を見学し、そのときの様子からインスピレーションを得て制作に取り掛かった曲だと言います。

制作の際は、歌詞が先で、さおりさんは、映画に登場するヒロインたちの「閉じこもっているけど、一歩外に出てみようとしている感じを私も知っているぞと思って、自分とリンクする部分を人魚の話で書いてみようと思い、すぐにピンときて詞を書けました」と語っています。

マーメイドというのは、人魚という意味で、ラプソディーとは、狂詩曲とも翻訳される、自由な形式で民族的ないしは叙事的な内容を表現した楽曲のことを指します。

人魚は、不自由なこの場所が好きだ、と歌詞のなかで歌っています。それは、不自由なこの場所なら、彼に会えるから、という理由で、しかし、人々は、自由をもたらすために、人魚を海に帰すべきだ、と主張します。

そして、彼に会えない、自由の世界へ放され、海の広さを知った人魚は、今度は、自分が会いに行く、と能動的な姿勢となって歌が終わります。

この『マーメイドラプソディー』という曲が、単純な恋愛ソングではない側面として、「自由」の問題が含まれていることが挙げられるでしょう。

自由ではないこと、限られた世界、限られた選択だからこそ、出会えたこともあり、豊かな面もあります。

しかし、人々は、無限の選択の広がる海に、人魚を放すべきだ、と言う。

それでも、自由な選択を与えられたとしても、その世界の広さを、私はあなたに伝えたい、あなたに会いに行く、というように、自分自身で選んでいくことが歌われています。

それは、言い換えれば、勇気を持って外に出ることを肯定する意味合いを持った歌詞でもあるのでしょう。

ちなみに、『マーメイドラプソディー』の冒頭を歌ってる人は誰か、という疑問の声もありますが、歌っているのは、なかじんさんです。なかじんさんが最初の部分でボーカルを担当し、途中から深瀬さんになります

スノーマジックファンタジー アルバム『Tree(2015年)』収録

『スノーマジックファンタジー』 作詞 Fukase 作曲 Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI、CHRYSANTHEMUM BRIDGE
アルバム『Tree(2015年)』収録

セカオワのメジャー5作品目のシングル『スノーマジックファンタジー』。JR東日本のCMソングのために書き下ろされた曲です。

一見、とてもシンプルな恋愛ソングのような『スノーマジックファンタジー』。

しかし、雪山で出会った雪の妖精のような存在に恋しながら、最後に、死や別れを連想させるような、切ない結末も描かれています。

やがて僕は眠くなってきた
君と一緒にいるという事は
やはりこういう事だったんだろう

でも良いんだ
君に出逢えて初めて誰かを愛せたんだ
これが僕のハッピーエンド

出典 : SEKAI NO OWARI『スノーマジックファンタジー』

一年中、雪が降る、というのは、感情のない世界を意味しているのかもしれません。

そして、彼との恋によって、「幸せ」と同時に「悲しみ」も運んできた。始まりと同時に終わりをもたらした、とも言えるでしょう。

これは、恋によって、感情を取り戻し、しかし、それゆえに悲しみや終わりも訪れる、魔法もいずれ解ける、ということなのかもしれません。

ムーンライトステーション アルバム『Tree(2015年)』収録

『ムーンライトステーション』 作詞作曲 Fukase
編曲 SEKAI NO OWARI、CHRYSANTHEMUM BRIDGE
アルバム『Tree(2015年)』収録

アルバム『Tree』に収録されている、幻想的な音楽と歌詞の深瀬さん作詞作曲の『ムーンライトステーション』。

歌のなかでモチーフになっているのは、月から迎えが訪れる、というおとぎ話の『かぐや姫』。

この『ムーンライトステーション』は、登場する街も現代であり、ある種「現代版かぐや姫」のような歌詞になっています。

かぐや姫である「君」は、「帰る場所がない」「帰りたくない」と泣いています。そして、最後は、銀河列車に乗って月に帰っていく君との別れが仄めかされます。

失恋ソングとは違った雰囲気のようですが、恋愛という夢の世界が、いつか終わりを迎えることと結びているのか、あるいは、誰もが迎える死別の歌なのでしょうか。

セカオワの恋愛ソングは、ファンタジーで包みながらも、どこかで「終わり」の予兆があるゆえに切ない曲になっていることが多いのかもしれません。

Error シングル『Hey Ho(2016年)』カップリング曲

『Error』 作詞 Fukase 作曲 Fukase,Saori,Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI
アルバム『Lip(2019年)』収録

シングル『Hey Ho』のカップリング曲で、アルバム『Lip』にも収録されている『Error』。

作詞は深瀬さんですが、作曲は、初めてセカオワのメンバーのうち3人で合同作曲された曲で、歌詞のテーマは、ロボットと人間の切ないラブソングとなっています。

主人公の僕は、大勢いる軍事用のロボットの一体として生まれたとあり、男性がロボットです。

ロボットと人間の恋というと、なんとなく女性がロボットというイメージがありましたが、この曲の場合は、男性がロボットです。

このロボットは、軍事用で、多くを傷つけ、勝つたびに褒められます。

しかし、歌詞のタイトルにあるように、ロボットの僕に「エラー」が生じ、「一人で戦う美しい君」に恋をしてしまいます。

守るものができ、弱くなっていく僕に、君は、「守る誰かがいるのは時に貴方を弱くするでしょう。でも弱さを知るということは強いということなの」と言います。

夜桜 アルバム『Eye(2019年)』収録

『夜桜』 作詞 Fukase 作曲 Fukase,Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI、斉藤ネコ
アルバム『Eye(2019年)』収録

セカオワのメジャー3枚目のアルバム『Eye』収録の切ない歌詞が特徴の『夜桜』。

この曲は、春の夜、散っていく桜がモチーフで、桜といえば、美しさとともに儚さや寂しさが表現される花ですが、夜桜となると、孤独感も際立ってきます。

かけがえのない存在だった「貴方」が、今は遠くにいることが暗示され、失恋ソングとしても捉えられるでしょうし、あるいは、かつて友情関係にあり、今はすっかり会わなくなった旧友を描いている歌かもしれません。

ただ、歌詞のなかに、「貴方と出逢うまではもう少し強かった、一人がこんなに寂しいなんて思わなかったんだ」とあるので、別れたあと、まだ相手のことを想っている恋愛の歌なのではないでしょうか。

YOKOHAMA blues  アルバム『Lip(2019年)』収録

『YOKOHAMA blues』 作詞 Fukase 作曲 Nakajin
編曲 SEKAI NO OWARI
アルバム『Lip(2019年)』収録

アルバム『Lip』収録で、横浜という街が舞台の失恋ソング『YOKOHAMA blues』。

都会の夜のビル明かりのなかのドライブに合いそうな曲調で、歌詞には、「ステージに上がり」や「スポットライトを浴びた」という情景も描かれていることから、深瀬さん本人の思いや恋愛経験も色濃く反映している曲なのかもしれません。

また、曲中で「困った時だけ私なのね」という声が、女性の声で入るのですが、誰の声かは諸説あるようです。

陽炎 シングル『Habit(2022年)』カップリング曲

『陽炎』 作詞 Saori 作曲 Saori
編曲 SEKAI NO OWARI,
Yaffle
シングル『Habit(2022年)』カップリング曲

アルバム『scent of memory』に収録されている『陽炎』は、さおりさんがボーカルで、シングル『Habit』のカップリング曲は、深瀬さんがボーカルのバージョンです。

作詞作曲ともにさおりさんで、しっとりとした切ない曲調の失恋ソングとなっています。

タイトルの「陽炎かげろう」とは、「春や夏に、日光が照りつけた地面から立ちのぼる気」を意味し、平安時代以降の和歌では、とりとめのないもの、見えていても実体のないものの喩えとして使われる言葉でもあります。

以上、セカオワの恋愛ソングでした。

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