RADWIMPSの失恋ソング

恋愛でもっとも歌が必要になるのは、失恋のときではないでしょうか。

音楽には、心を癒す不思議な力があり、失われた空白を埋めるメロディや歌詞によって、引き裂かれそうな切ない失恋の悲しみもゆっくりと治癒されていきます。

RADWIMPSは、ボーカル兼作詞作曲を担当する野田洋次郎さんの美しい歌詞が魅力のロックバンドです。

深遠な哲学や宗教的な世界観を表現した歌もあれば、純粋なラブソングや失恋の歌も多く、若者から大人まで幅広い世代に支持されています。

映画『君の名は。』の音楽を担当したこともあり、今やRADWIMPSの人気は世界中に広がっています。

今回は、RADWIMPSのなかでも、歌詞が切ない、おすすめの失恋ソングを紹介したいと思います。

『me me she』　作詞作曲　野田洋次郎
アルバム『RADWIMPS４〜おかずのごはん〜（２００６年）』収録

RADWIMPSの代表的なラブソング、失恋ソングと言えば、アルバム『RADWIMPS４〜おかずのごはん〜』収録のバラードソング『me me she』。

タイトル『me me she』の読み方は「めめしい」で、「she」よりも「me」のほうが一つ多いことから、彼女よりも自分の感情を優先してしまっている、ということもタイトルの由来だと考えられています。

『有心論』　作詞作曲　野田洋次郎
アルバム『RADWIMPS４〜おかずのごはん〜（２００６年）』収録

この『有心論』も、RADWIMPSの初期の代表曲で、僕がRADWIMPSを好きになったきっかけの曲でもあります。

大学時代、バイト先の先輩がカラオケで熱唱し、映像に出てくる歌詞に心打たれ、帰ってすぐに調べて当時発売されていたアルバムを全曲聴き、すっかり虜に。

この曲は、直接失恋を歌っているわけではありませんが、心のありかを歌ってくれているような歌詞で、失恋のときでも響くのではないでしょうか。

以前、Mr.Childrenの桜井和寿さんがBank Bandでカバーしたことでも話題になりました。

桜井さんは、RADWIMPSがまだデビューする前、今のRADの所属事務所社長からデモテープを聴かせてもらい、ほとんど英語詞だったなかで一曲だけあった日本語歌詞の曲がよかったことを社長に伝えたそうです。

また、RADの野田洋次郎さんも、子供の頃に住んでいたアメリカで、従兄弟が「日本の音楽はすごいぞ」と渡してくれたミスチルの曲が入ったテープを擦り切れるほど聴いていたというエピソードもあります。

『トレモロ』　作詞作曲　野田洋次郎
アルバム『RADIMPS３〜無人島に持っていき忘れた一枚〜（２００６年）』収録

アルバム『RADIMPS３〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』収録の『トレモロ』も、はっきり「失恋ソング」というわけではありませんが、希望の持てる楽曲です。

澄んだ夜空に響くようなメロディと、美しい歌詞。「悲しみが悲しみで終わらぬよう、せめて地球はまわってみせた」というフレーズが印象深く残ります。

ちなみに、トレモロとは、ギターで震えるように音の連なりを表現する演奏法のことです。

村治佳織　トレモロ奏法とは

『ささくれ』　作詞作曲　野田洋次郎
シングル『イーディーピー～飛んで火に入る夏の君～』カップリング

初期のシングル曲のカップリング『ささくれ』、ゆったりとした曲調で、真正面からの失恋ソングです。

付き合っていた二人、そして別れと感謝の歌。「あの日君からもらったその愛を　僕はいつまででも忘れないよ」

『ナラタージュ』　作詞作曲　野田洋次郎
シングル『ナラタージュ（２０１７年）』

この『ナラタージュ』は、野田洋次郎さんが作詞作曲し、adieuさん（上白石萌歌さんの歌手名義）に提供した別れの歌です。

失恋ではなく、死の別れの歌かもしれませんが、あなたとの記憶の上に明日を生きてこうという、悲しみと優しい希望が歌われた曲です。

まとめ

ここで選んだ曲は、必ずしもはっきり「失恋」を歌った作品だけではなく、失恋の悲しみに寄り添ってくれたり、ほんのちょっと鼓舞してくれるような曲も選びました。

その他、初期のアルバム曲では、『俺色スカイ（歌詞を見る）』や『もしも（歌詞を見る）』なども失恋の夜におすすめの切ない一曲です。

また、悔しさをバネにしたいときは、野田洋次郎さん作詞作曲の酸欠少女さユりさんが歌う『フラレガイガール』もよいかもしれません。